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<再誕の光>

『ドコニ間違イガアッタ……!』

闇色に輝く巨体が、悲しい断末魔と共に沈んでゆく。
【敗者】の名を司る魔王に相応しい最期である。

先日のアップデートにて実装された第二の魔王。
その強大な悪意に満ちた力は、多くのプレイヤーを幾度となく戦闘不能に陥れ、
あるいは退け、今までにない強敵として、プレイヤー達を賑わせた。

しかしそれも持って数日。
日本の優れたゲーマー達は、次々と対処法を見つけ、攻略法を編み出した。
劣勢だったはずの戦闘は間もなく、優勢での勝利を免れないものとした。

シナリオの通りに戦い、シナリオの通りに勝つ。
戦闘自体の高揚感は薄まり、各人の興味は得られる報酬・アイテムへと移りゆく。
オンラインゲーム特融の、有りがちな現象である。

いつもと同じようにスピーカーから聞こえる断末魔で、勝利を確信し、
いつもと同じように倒れていく様に、モニター越しに勝利を確認する。
そして、いつもと同じように、自らが操作するキャラクターが勝利の演出を行うために光に包まれていった。

白い皓い光へと。



荒野を一陣の風が駆け抜け、砂塵を巻き上げる。
土色のカーテンの向こうには、無数の黒い影が悪意を撒き散らしながら蠢いている。
悪意であり敵意の塊であるそれらは、じわりじわりとこちらへ迫ってくる。
まるで黒い津波のようだ。

――何度見ても気味が悪いな。

気弱ともとれる言葉だが、その顔には余裕の笑みが浮かんでいる。

眼前に広がる黒い波は、常人から見れば絶望以外の何物でもないが、
自分と、自分の背後に立ち並ぶ数名の戦士達こそが
この世界で彼の悪魔達を滅することのできる唯一の選ばれし存在なのだ。

故に負けるわけにいかないし、負けるわけがない。
少々の緊張を胸に秘め、絶対の自信を面に出し、
ともに歴戦を繰り広げてきた相棒ともいえる武器を握りしめる。
つられて周りの仲間達も思い思いに武器に手をかける。

戦国時代、戦の開始の合図は、鏑矢による音の出る弓矢によって行われていたという。
意図したのかどうかはわからないが、最初に動いたのは後方に控えた弓兵の一人だった。

風を切る音が遠くへ離れていき、前方の黒い影へと吸い込まれていく。
悲鳴とも怒号ともとれる奴らの声が微かに聞こえた。

――手応えあり。

誰ともなく呟いた、それを皮切りに一斉に戦士達が、黒い影に向かって雪崩れ込む。

ダーカーと呼ばれるこの世に破滅をもたらす者と、
それを打ち滅ぼさんとする若き戦士達、アークスとの戦いの火蓋が、今切って落とされた。




『未知ノ事象……ソノ解ヲ……』

目も開けられぬ眩い光の中で声を聞いた気がする。
深い夢の中から覚めたかのように、目の前も頭の中もぼやけたままだったが、
光が薄まっていくと同時に、霧散していた意識が再び自分の体に収まったようだ。

体中の力が抜けたらしく、どうやら座り込んでいたらしい。
おぼつか無い膝に手を添え、ゆっくりと立ち上がり周りを見渡す。

いつもと変わらない、アークスシップのロビーの風景が目の前にあった。

突如として湧き起こったのは、既視感と違和感が混ざり合った感情で、
脱力感と気だるさの残った頭を混乱に陥れるのはいとも容易かった。

――夢の続きを見ているんだろうか。

最初に辿り着いた答えは極々有り触れたものだった。

いつもモニター越しに見ていたアークスシップの風景が、自身の目の前に広がっている。
あまりにも馬鹿馬鹿しく現実離れした事象に、混乱した頭が一回りして冷静さを取り戻してきたようだ。

昔から漫画を読むのが好きで、ゲームやアニメといった物語が大好きだった。
物語の世界に入ってみたい。
誰もが一度は子供時代に夢見たであろう。
いい年して尚、そんな子供じみた決して叶うわけのない夢に憧れ、異世界冒険のジャンルの物語を読みふけってきたわけなのだが、
幸か不幸か、その幼い思考こそが、この夢や幻のような現実を理解することに一番役に立ったというのだから皮肉なものである。

そうして間も無く、ひとつの結論を導き出した。
自分は今、PSO2の世界にいる。



――PSO2。
正しくは、ファンタシースターオンライン2。
日本の企業、セガが運営するオンラインゲームで、純国産オンラインゲームとしては最大の規模を誇る。
全作のファンタシースターオンラインは、家庭用ゲーム機のオンライン対応というシステムで一世を風靡し、多くのゲーマーを虜にした。
大成功・大盛況のままに幕を閉じた前作の続編として、
西暦2012年7月4日にPSO2がサービスインし、
2年を迎える昨今でも多くのユーザーを抱える超人気超大作のオンラインRPGなのである。


サービスイン初日から2年間、フレンドと共に駆け回った舞台を見間違えるはずもない。

水色を基調とした淡い照明に無機質な灰色の床が照らされている。
見上げると高い高いガラス天井の向こうに真っ黒な宇宙が広がっていて、闇の中に吸い込まれそうな気さえしてくる。
見れば天井だけでなく壁や床のガラス面からも外の景色が伺えた。
丁度一隻の小型宇宙船が宇宙に飛び立つところが目に入り、すっかり魅入ってしまった。

夢だと言うにはリアリティがありすぎる。
紛れもない、ここはアークスシップそのものだ。
ゲームの世界の中にいるんだ。

これは夢ではない、現実なんだ。
確信めいたものはない。
どちらかと言うと願望の方が強いと思う。

今の自分には、これが夢なのか現実なのか判別する術がないだろう。

夢なら覚める前にこの世界をたっぷりと味わいたい、
現実なら現実で、この世界を見て触って回りたい。

我ながら単純だなと笑ってしまうが、自分らしいと思う。
すっかりと冷えきった頭には、もう迷いは無く、
歩き始めた両足に重さは無かった。


――行こう。

自然と唇が言葉を紡いだ。

小さな不安の払拭と、大きな期待を含めた三文字の言葉は、
意外なほどに自分の背中を押してくれた。

「これより私はアークスとしての使命を全うする!我こそは、ひかりもの探索隊所属!その名も……






A…Hound

B…ラプラス

C…その他、有志

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COMMENT

No title

レオンさん、なにしてはるんですか( ´・∇・` )

お、ハウさん立候補だな。

No title

私はここでモカさんを推薦しよう・ε・

No title

モカくんも勇者気質だから良さげですね。
最近は全くフレンドパートナーに入ってこないのが残念ですが。

No title

なんだこれは(驚愕)

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